朝しぼりたての質の良い牛乳を使いチーズをつくり続けている、米村チーズ工房プラッツの米村常光さん。約60年前に先代が開拓した当初は、畑作農家だったという。現在は牧草をつくり、乳牛を育て、そしてチーズ作りを行う米村さんにお話を聞いた。

「親父の苦労した背中をみて。」

畑作農家だった先代が酪農のために、牛を飼い始めたのは、開拓から約7年後だったと言う。「江別は水害の常習地帯でした。開拓当初、水害と冷害が続き、これ以上畑作だけでは続けることが出来ないと思い、親父が酪農も始めたのです。その頃自分は10歳でしたが、約17頭の牛を飼っていました。畑作も続けていたので、秋になると従業員の給料の為に、飼っていた牛を全部売り、来年の春また牛を買うという状態が続き、厳しい時期だったと思いますよ。親父の苦労した背中をみて、変わってあげたいという想いで、高校卒業と同時に自分が経営者となりました。その時は両親が開拓した土地で、赤字を出さない様にと必死でしたね。」

「みんながお互い得意分野で助け合っていたんです。」

少しでも経費をかけないようにと、倉庫や牛舎はすべて米村さんが自分で建てたという。「昔はみんなお金がなかったので、それぞれが努力していたんです。プロではないけど、溶接が出来る人や、壁を作れる人、ペンキを塗れる人などが近所にたくさんいました。みんながお互い得意分野で助け合っていたので、倉庫や牛舎を業者には頼まず、自分で建てることが出来たんです。このチーズ工房の建物は、以前は自宅として使用していました。本当はこの場所に牛舎やサイロ等を建てたかったのです。でも、この建物は親父と一緒に野幌まで行き、馬車でレンガを運んだ思い入れのあるもので、親父との開拓遺産という気持ちがあり、チーズ工房として残し続けています。」

「風景が変わらない故郷として残し続けたい。」

米村さんは畑作から酪農、チーズ作りと新しいことに取り組んでいくなかでも、昔ながらの場所を大切にしている。江別で農業を続けるには、この風景や空気が、みんなの故郷になっているから、ここに来ると安心でき落ち着く様な場所でなくていけないと言う。故郷を大切にしている、米村さんに今の江別はどのような街か聞いた。「札幌圏の消費地をかかえている江別は、もっと知名度を上げてほしいと思う。直売所がたくさんあり、農家の顔が見えるし、農家もお客さんと接することで評価を知り、励みにもなりますよね。現在江別では「加工品部会」という、お味噌やケチャップ、漬物、お菓子などの加工品を市が中心となり、売り方、販路、イベントの紹介などを行っています。地元を挙げ、販売に力をいれていこうと思っていますよ。」苦労した時代にみんなが助け合っていたからこそ、今も協力し合い、風景が変わらない故郷として残し続けたい場所にならなくてはいけないと言う。

米村牧場 チーズ工房プラッツ
代表   米村常光
住所   江別市角山555
TEL/FAX   011-384-6288
営業時間   毎週日曜日11時~16時
URL  

http://yonemura-farm.com/
チーズ・ミルクホエー豚商品の
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